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記事一覧

釉薬のさえずり 4

釉薬のさえずり~土と焔の森 番外編~4早朝5時に携帯の振動で目を覚ました。7時から東方見聞誌とのネット会議がある。隣で枕の端に顔を埋めたチャンミンが、身じろぎひとつせず眠っている。静かな寝息。僅かに微笑んでいるような唇。寝起きに眺める天使の寝顔。チャンミンを起こさないようアラームをバイブだけにしておいて良かった。指で睫毛の先端に触れ、眉毛をなぞる。胸が苦しくなるほど綺麗で、俺の指先は震えた。気づくと20...

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シムドールは今日も憂鬱 22

シムドールは今日も憂鬱22王子が、また微笑んでくれた。王子が、すぐそばに居る。こんなところまで、俺を助けに来てくれた。シムドールは、王子が堪らなく愛しかった。微笑んだ後、王子は何度か腕を動かそうと試み、眉を下げた。「シムドール……ごめん。腕が動かなくて持ち上げられないんだ。ちょっと待ってね。」シムドールは、王子が怪我を抱え満身創痍で自分を追いかけて来てくれたことに胸が抉られるように痛んだ。王子の顔が苦...

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シムドールは今日も憂鬱 21

シムドールは今日も憂鬱21誰よりも可愛いユノユノ。ユノユノに何かあったら、生きていけない。ブルーマウンテンの火口に飛び込んで死んでしまった方がマシ。悲痛な嗚咽を続けるイトゥク様に、イェソンはシムドールとユノユノ王子の間に愛情を育みたいと願った自分の気持ちを打ち明けた。「なぜ、そんなことを……。」「シムドールは、王子が恋することで魔法が解けて人間に戻ります。私は魔法を解きたいんです。」「そんな。ユノユノ...

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シムドールは今日も憂鬱 20

シムドールは今日も憂鬱20シムドールを連れ去った男は、ブルーマウンテンの麓で馬を休ませるため道沿いにあった民家に立ち寄った。偶然にもそこは、イトゥク様が身を寄せるヒチョルの家だった。「夜分遅くに申し訳ない。水と藁を分けていただけませんか。」突然の訪問者にフィギュア製作を邪魔されたヒチョルは不機嫌な顔をしたが、玄関に立つ男を見ると、大声でイトゥク様に声をかけた。「おい!イェソンの魔法がかかった男が来た...

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釉薬のさえずり 3

釉薬のさえずり~土と焔の森 番外編~34月の半ば、春のくすぐったい風が吹く夜のはじめ、ガーデンハウスに日本からの取材クルーが訪れた。「こちらが同居しているユノです。フランクフルトの貿易会社で働いています。」チャンミンは俺を紹介する時、唇の皮をいじった。嘘をついている心理からか、俺への後ろめたさからか、いつもより落ち着きがない。先頭に立っていたリーダーらしい男性がお辞儀した。「はじめまして。お邪魔して...

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シムドールは今日も憂鬱 19

シムドールは今日も憂鬱19優勝に向けて直線を駆け抜けていた王子は、シムドールの瞳からキラリと雫が落ちるのを見た。シムドールが泣いている。胸がツキンと痛んだ。「どうして泣いてるの?」シムドールの表情を捉えようとした視界に、背後から近づく男性が入り込んできた。気になっていた彼だ。違和感を覚える。あの目は普通じゃない。王子の驚異の動体視力は、その胸ポケットに光るナイフをはっきりと捕らえた。ほとんど無意識だ...

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シムドールは今日も憂鬱 18

シムドールは今日も憂鬱18シムドールと王子は憂いを抱えたまま乗馬大会当日を迎えた。その日、王子はシムドールを乳母車に乗せて会場まで歩いた。ブラックジャックは御者に連れてくるよう頼んだ。ごめんねシムドール。早く人間に戻れるように手伝ってあげなきゃいけないのに。私が情けないばっかりに、ほんとごめん。王子は心の中でシムドールに謝り続けていた。乳母車を押す手元に視線を落とし、青白い顔をしている。シムドールは...

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シムドールは今日も憂鬱 17

シムドールは今日も憂鬱17王子の長いシャワーが終わる頃には、時計は23時50分になっていた。「今日は乗馬で疲れたな。」素知らぬ顔でシャワーから出た王子は、欠伸を噛み殺す。ベッドの上に座って膝を抱えているうちに、眠気に襲われたらしい。うつらうつらし始めた。今夜は王子を落とすよりも1人でビールを満喫したいと思っていたシムドールには好都合。『よしよし。お子さまは寝てなさい。』宿の小さな冷蔵庫がキュインと音をた...

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シムドールは今日も憂鬱 16

シムドールは今日も憂鬱16何事にもくそ真面目な王子は、週末の乗馬大会に向けて早速練習を始めた。シムドールはその間、宿に放置され寂しい時間を過ごすこととなった。楽しみと言えば、今夜遂に飲めるはずのビール。早く人間になりたい。今日はまだキスされていないことがシムドールは心配だった。『これでキス忘れたら、まじでぶっ殺す。』取り残された寂しさを悪態で紛らわす自分には、気付かないフリをした。ブラックジャックに...

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釉薬のさえずり 2

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プロフィール

コールドブリュー

Author:コールドブリュー
東方神起 ユノとチャンミンが大好き。
脳内妄想をこっそり綴っています。
ホミンのみ。

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