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王子とシムの常夏ハネムーン 1

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いつの時代か、昔むかしか、はたまた未来か、花と緑に溢れた惑星に、濃い顔の王様が治めるTBワールドという小さな国がありました。

月のように美しい容姿と、太陽のような熱い情熱に溢れる王子は、花のように可憐な容姿と、蜜蜂のように甘い愛情をたたえたお妃を迎え、幸せラブラブ新婚生活真っ只中…………と思いきや。

王子は城の外で農耕に明け暮れ、お妃は眉を吊り上げ電卓を叩く日々。

実はお2人の新婚生活には、問題が山積していたのです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ユノユノーーー!!!ユノユノ大変だ!!!チャンミンに拉致監禁予告が届いた!!」

婚礼から数ヶ月も過ぎたある朝、シウォン国王が血相変えて寝室に飛び込んできた。

ユノユノ王子は、馬並の鼻息で巻き上がりそうなシーツをひっしと掴んだ。
昨夜の余韻残るベッドで、妃のすべすべお肌を堪能していたところだったのだ。父上にチャンミンの裸を見せるわけにはいかない。

「拉致監禁予告?どういうことですか。」

「拉致監禁だけではない!盗撮付きだ!!」

「おとーたん。曲解はいけません。」

背後からぬっと顔を出したイェソンの腕に抱っこされたウクたんが父を窘める。
イェソンはユノユノに金のシールで飾られた封筒を差し出した。

「お隣のSMカントリーのイ・スマン国王から、招待状が届いたのです。」

「招待状?」

「依頼状とも言えます。最近オープンした水族館の広報大使としてチャンミンを招きたいと。国王専属テレビ局で放送するCMにも出て欲しいそうです。」

「へぇー!凄いことですね。」

「何しろSMカントリーではシムフィギュアがヒットしていますからね。国民は、ご本尊の来訪を心待ちにしています。」

「チャンミンが広報大使……。CM……。」

是非観てみたい……と思いながら手紙を読み始めたユノユノにシウォン様は鼻息を吹き掛けた。

「騙されるな息子よ!あの国王は美人に目がない!テレビだの宣伝だの、口実に過ぎんぞ!チャンミンを舐め回して、あわよくばSMカントリーに引きずり込もうとしているのだ!!等身大人形にされてしまう可能性も否めない!!」

「父上……考え過ぎです。私にも是非一緒にと書いてあるではないですか。ハネムーンついでにお越しくださいとは……ありがたい話です。それに出演料まで。」

「出演料!!?」

すやすや眠っていたはずのチャンミンに手紙は奪われた。絹の素肌に慌ててシーツをかける王子の思い虚しく、チャンミンは飛び起きて目を見開いた。

「じゅ、じゅ、10万SMドル!!!」

注釈しよう。10万SMドルは日本円で1000万に相当する。

チャンミンのバンビの様に大きな瞳は黄金色に輝き、瞬きすると「チャリ~ン」と音がした。

「受けます!行きます!」

パンツ1枚のお妃が目前に。
シウォン様の鼻の穴はパカッと開いた。

なんと長く美しい手足。スタイルでは愛しいイトゥク女王ですら勝負にならない。
チャンミンはTBワールドの宝だ。
SMのおっさんに撫で回されたりしたら宝の価値が下がってしまうではないか。

「ならん!王妃に何かあってからでは遅いのだ!」

国王の鼻息に負けじと、妃は跳ねた髪を鹿の角のごとく振って応戦する。

「妄想はおやめください。こんなありがたい話、お断りするなど失礼でしょう!諸外国との関係維持は妃の務めかと!」

「おっさんの下心が見え見えなのだぞ!」

「これだけのお金がいただければ、毎日バナナの食生活から解放されます!ハネムーンも自粛してますけどね、本当は行きたいんです!!」

馬と鹿の睨み合いに怯え、ユノユノがシーツを握りしめたところで、朝食のバナナスムージーを運んできたシンドンばあやがすっ転んだ。

空中に取り残された2つのスムージーはイェソンとウクたんがナイスキャッチしたが、シンドンのお尻までは支えられぬ。

シンドーンッ!と派手な音をさせて震度2を記録した尻をさすり、メイド服がお似合いのばあやはバナナの皮を摘まみ上げた。

「ユノユノ王子!!バナナプレイの後に皮を床に放り投げるのはお止めくださいとあれほど申しましたのに!!」

「ごめんごめんシンドン。チャンミンがバナナはもう食べたくないって言うからさ、何とかお口に入れようと躍起になってて……。」

「ですから昨夜は生クリームホイップをお付けしたではありませんか!」

「クリーム付きバナナでもバナナはバナナだもの。まぁ、おかげで盛り上がったけど。えへへ。」

呑気に破廉恥バナナ談義するユノユノとシンドンに呆れ、チャンミンの目は完全にすわった。

朝から晩までバナナ。
焼いたバナナ。
蒸したバナナ。
揚げたバナナ。
凍らせたバナナ。
バナナケーキ。
バナナトースト。
バナナシェイク。

バナナバナナバナナ。
もう、食べ物の名称と思えなくなってきた。
「バナナ」がチャンミンには「バカカ」に見える始末。

王子の妃となり優雅なお城生活を送るはずだったチャンミンを待っていたのは、電卓片手に「こんなバナナ」と唸る日々。

どっかーんと大噴火したブルーマウンテンの溶岩は、TBの母らレッドオーシャンのサメさんによって食い止められたものの、噴火による火山灰は周辺に少なからぬ損害をもたらした。

ブルーマウンテンの麓に広がっていた農耕地の多くが被害を受け、降り積もった灰の清掃にはかなりの国費が費やされた。
元々必要最低限の税金しか徴収していない城の財政は一気に悪化。その上、国民の食事を優先するシウォン様の配慮により、城の畑の作物は全てブルーマウンテンの麓の民に届けられた。

結果、城の食事は灰の影響を受けなかった南の国王直轄バナナ農園に頼りきりとなった。

チャンミンは、収入獲得のためシム&ユノユノフィギュア販売に対するギャランティの上乗せをキュヒョンと交渉していたが、なかなか折り合いはつかない。

チャンミンの要求は20%だが、キュヒョンは最大限譲歩しても13%だと言う。現在の10%からたった3%上がるだけでは、財政難の解決にはならない。

「今の売上じゃ無理な相談だぞチャンミン。ウェディングセット以降、ヒット作もないし。TBワールドはブルーマウンテン不況の最中なんだぞ。人形にお金を出すやつなんて、一部の金持ちとマニアだけさ。」

やり手店主は、販売個数が伸びるなら交渉に応じると意味深な視線を寄越した。

「大ヒットさせろと?」

「宣伝しろよ。お妃様自ら♪」

「むむむ。」

チャンミンはどうも乗り気になれないが、ギャランティアップが期待できないなら、個数を伸ばすしかない。

売らねばならぬ。
TBワールドに期待できぬ今、SMカントリーは重要な市場だ。
イ・スマン国王の依頼はまたとないチャンス。

チャンミンは、ベッドに座ったままバナナスムージーを美味しくいただいている夫に上目遣いでお願いした。

「ハネムーン行きたいな。」

「でも父上は反対だって……。それに、国のみんなが頑張って畑仕事している時にハネムーンなんて。僕も忙しいし。」

「TBワールドのためです。シム&ユノユノフィギュアの売上が伸びれば、国の助けにもなるじゃありませんか。」

「それはそうだけど。」

「国王プライベートビーチのヴィラを用意してくださるって書いてありますよ。SMカントリーの気候は常夏なんでしょう?2人で海に行きたいです。白いビーチを追いかけっこしたり。」

「チャンミンと……ビーチ……。」

「パシャパシャ水をかけ合ったりして。」

「海辺でパシャパシャ………シャツにお水が染みて……あ……ビーチで乳首がビーチク……。」

ユノユノの口元から乳白色のバナナスムージーがとろりと垂れた。

なんてちょろい王子。
もう、落ちたも同然だ。





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はじめてコメントします。いつもありがとうございます。

こんにちは。いつも楽しませていただいています。
祓い屋、運命の人、spy in the atticがとくに好きです。だけどどのお話も何度も読ませていただきました。本当に好きなのでいつもいつも読んでいるだけではいけないと思い、不慣れながら感謝を伝えたくてコメントいたします。
これからも楽しみにしています。

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Re: はじめてコメントします。いつもありがとうございます。

lovemiandproductivityさま、

今さらながらのお返事でごめんなさい!初コメありがとうございます(*´ω`*)
お気持ちに感謝感激です。

思いつきで始めたページですが、たくさんの方に愛していただけて、ホミンちゃんありがとう……と思う日々。これからもよろしくお願いいたします♪
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Author:コールドブリュー
東方神起 ユノとチャンミンが大好き。
脳内妄想をこっそり綴っています。
ホミンのみ。

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