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王子とシムの常夏ハネムーン 18

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18


図らずも、シウォン様の所望した紐ビキニは現地調達されることとなった。

ユノユノとチャンミンは大急ぎでヤシの実を採り、紐にくくりつける。
撮影が始まる前にイトゥク様の準備を完了して待機させなければならない。

目が回るドタバタを何とか切り抜け、イトゥク様をビーチの落とし穴から下ろし、ウニョクに託して砂を元通りにする。

イ・スマン国王率いる撮影班がビーチに現れた時には、2人は砂まみれでぜぇぜぇ言っていた。

今日もイ・スマン国王は太陽に負けないギラッギラしたやる気を漲らせている。

「おお。鼻息荒いですな。汗ばんだ身体に砂がついてセクシー……。さては朝からビーチで……。」

彼のハレンチ妄想に突っ込む余裕は今のユノユノとチャンミンには無い。

イ・スマン監督の指示通り、海辺を手を繋いで歩き、アイスクリームを食べさせ合うなど、いかにも微笑ましい恋人達のビーチでの過ごし方を撮影した。
途中テミンも特別出演し、3人でビーチを歩く姿はまるで家族の幸せな日曜日と言ったところ。

チャンミンはブーメランのまま撮影かと危惧していたが、ヒラヒラの布を巻いて貰えて、風で布が捲れない限りは穏やかな撮影が続く。

「こんなCMを見たら、国民総ビーチだ。TBワールドからの旅行客も増えるだろう!」

「そう……ですね。では……私はそろそろ準備に。」

「うむ。頼んだぞミノ。」

イ・スマン国王はしたたかな笑みでミノを送り出した。

「お。動いたな。」

シウォン様はヤシの木の陰に隠れて、テミンを肩車するユノユノと、それに寄り添うチャンミンを驚異の視力で観察していた。

「ふ。イ・スマン国王は変態としてまだまだ甘い。」

ユノユノの身体の美しいこと。腕と太ももの程よい筋肉。さすが我が息子だ。あの2人は並んでこそお互いの美しさが際立つ。チャンミンを型採りしたい気持ちは変態ゆえ理解できるが、ユノユノの型も採らねば意味がない。

「それにしても……。」

シウォン様はこの先起こる事態を想像してヤシの木の幹を噛んだ。

「ああ!可愛いユノユノの頼みとは言え、イトゥクのあんな姿を変態の前に晒さねばならんとは!!」

そう。
イトゥクマーメイドの「カモン」により、イ・スマン国王を落とし穴へと誘うのがユノユノの作戦。

その時はもうすぐに迫ろうとしていた。



その頃イトゥク様は、ウニョクと共に貯水槽の裏でスタンバイ中だった。

「私にこの大ミミズに乗れと?」

イトゥク様の眉間のシワは深い。

「ええ。自慢のご子息がそのようにと……。」

鬼の形相で睨まれてはいるが、イトゥク様の格好が格好なので、ウニョクは恐縮しつつも半笑いだ。

ミミズに乗せてビーチにせり上げるとは、ユノユノ王子も発想がなかなかキテレツ。

しかし、にやけている場合ではなかった。
ミノが現れたのだ。
ウニョクとイトゥク様はポンプの裏に身を潜め、大ミミズは貯水槽の中に隠れた。

お陰で更に水が溢れる。

「ぎゃーっ!なんだこれ!水浸し!!」

ミノは水族館の惨状に頭を抱えた。

「ポンプが壊れたのか?イ・スマン様に修理して貰わないと……。あぁ。酷い……。」

顔面蒼白でトンネルへと泳ぐように進み、ミノは困り果てた。
こんなに水浸しでは、チャンミンが落ちてきても型採りできない。

「困った……。困ったぞ。早く排水しなきゃ。」

ポンプ室に戻る途中、ミノは立ち止まって耳をすませた。

ドンヘとイェソンによる壁の破砕はまだ終わっていない。横トンネル入口はいい塩梅にシリコーン樹脂で塞がれてはいるが、音が微かに漏れてしまっている。

「ん?何の音だ……。」

ミノが薄暗い土壁を探り始め、ウニョクは焦った。

まずい。
横トンネルのことがバレたら、こっちの面白計画の方が頓挫しかねない。
こんなエンターテインメント、見なきゃ損だ。

ウニョクはポンプのつまみをマックスまで回した。「ガンガンガン!」とポンプが悲鳴を上げる。

「わっ。ポンプの音か。本当に壊れかけてる!」

ミノがポンプに近寄って来た。
シンドンとTBちゃんを迎えてから計画を実行したかったが、こうなってはもうやるしかない。

ウニョクはイトゥク様を引っ張ってトンネルの入口に放り込み、ミミズに『行け!』と叫んだ。

ミミズが貯水槽からのっそり顔を出したのと、ポンプが限界を超えてボカンと爆発したのは同時だった。

下部が水に浸かったポンプは本当に壊れかけていて、過度な負荷がかかったことでショートしたのだ。

爆発は大きくはなかった。
しかし、ポンプに隣接していた貯水槽の壁にヒビが入り、みるみる大きくなる。

呆然とヒビを見上げたウニョクとミノの目の前で、貯水槽はぱかっと割れ、大量の水が襲いかかる。

「ぎゃーーーー!!!」
「ぎえーーーー!!!」

ウニョクは水に叫び、ミノはミミズに叫んだ。
ダムの放水中にネッシーが現れたかのような光景だ。

ミミズは水の流れにのってトンネルに突っ込み、その先にいたマーメイドのイトゥク様もろとも地上に向かう。

まさにその時、地上ではチャンミンがビーチを内股で駆けていた。
旗の下で手を振るユノユノに向かって走るチャンミンの腰に巻いた布が揺れ、ブーメラン海パンが露になる。

イ・スマン監督が夢見たシーンの撮影だ。

「素晴らしい……。」

夢見心地の監督は、ちらっとチャンミンが向かう先の砂に目をやった。あそこに落ちたチャンミンの原寸型を手にし、夢は続く。
麗しのチャンミンがTBワールドに帰ってしまっても、チャンミン型新作アンドロイドを作る夢がある。

「むふふ。」

にやけた監督の顔に、砂と水滴が飛んで来た。

「ん?」

波も風も穏やかなのに何故だ。
顔にかかった砂を払った彼の眼球に、信じられない夢の光景が飛び出した。

マーメイドイトゥク様が、ユノユノの計画通りビーチに突如現れたのだ。

計画と違ったのは、ウォータースプラッシュと、その勢いで吹き上がる砂がマーメイドを華々しく飾っていたのと、ミミズも半分出て来てしまった点。

幸い、イ・スマン国王の全意識はミミズではなくイトゥクマーメイドに奪われた。

「ほ、ほ、本物のマーメイドっ!これは……幻想か……??」

ユノユノは目の前に飛び出したマーメイド母上を見ないようにして、イ・スマン国王の様子を窺った。

目をしばたたかせている国王に、イトゥク様は「カモン♪」と手を差しのべる。

「イトゥク様……陽炎か……はたまた私は夢を見ているのか……。」

フラフラとマーメイドに引寄せられるイ・スマン国王。
しかし、半分ビーチに飛び出した巨大ミミズは、日中の砂の暑さに悶絶した。

『あつっ!あっつい!!』

『わっ、ミミズさん大丈夫!!?』

照りつける太陽にのたうち始めたミミズの頭は、イ・スマン国王の頭にクリティカルヒット。

「きゅう……。」

「お父様ぁーーー!!」

テミンが噴き上がる水しぶきを全身に受けるのも気にせずイ・スマン国王に駆け寄って抱きついた。

「お、おテムっ!ダメだ……水が……。」

「わぁーーん!!」

テミンの瞳から涙は流れていないけれど、悲痛な泣き声はユノユノの胸を締め付けた。

「お父様……お……とう……。」

テミンの動きがカクカクと不規則になり、次第に動きを止める。

「おテム!!おテムーーー!!!」

また修理しなければ……。
次はもう少し大きくしよう……。
いずれはイトゥク様かチャンミン様みたいな大人に……。
だが、今のままのおテムもなんて可愛いのだろう。自慢の息子だ。

テミンを抱き締めてそんなことを考えながら、イ・スマン国王は気を失った。





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東方神起 ユノとチャンミンが大好き。
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