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王子とシムの常夏ハネムーン 21

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21


ドレスの女王がミミズを片手に……。
奇妙過ぎる。
相変わらずユノユノの家族は人知では計り知れない。

「あの……このミミズは……。」

「大活躍だった巨大ミミズの元の姿です。TBワールドに連れて帰るとユノユノが約束したそうなので、城の畑に住んでもらうことにしました。」

「はぁ。」

チャンミンはどっと疲れが出て、考えることをやめた。

とにもかくにも、今度こそ一件落着。

もうイ・スマン国王が変態を発揮することはないだろうし、王子と2人きりのハネムーンを満喫させて欲しいとチャンミンは願ったが、案の定と言うべきか、TBワールド御一行は王宮に滞在することとなり、ハネムーンは単なる家族旅行に成り下がった。



「何故……。」

修理を終えたテミンを肩車し、チャンミンはシウォン様もびっくりの荒んだ瞳でプールに目をやった。

テミンはシャチに乗るユノユノに拍手している。

拍手し過ぎてバランスを崩したテミンに自慢の可愛い耳を掴まれ、チャンミンは鬼の形相だが、幸いテミンには見えていない。

「チャンミーーーン!見てーーー!」

ユノユノはシャチの背中で片足立ちを披露し、手を振っている。

チャンミンは悪態を吐いた。

「これじゃ子守りのばあやじゃねえか……。」

ナニーのミノは、イ・スマン国王の手伝いで研究室に籠りきり。それと言うのも、TBワールドに提供する怪しげな水の精製に励んでいるからだ。

ユノユノは、やりかけた事は中途半端にできない性分。シャチの背中で連続バク転することを目標に掲げ、早朝から夜まで水族館のプールで練習に打ち込んでいる。

「もう1人でTBワールドに帰ってやろうかな……。はぁ……。」

なんて呟いても、実際には日夜見守ってしまう健気なチャンミンの嘆きは、ユノユノには伝わっていない。

チャンミンの髪を弄っていたテミンが耳元からひょいと顔を覗き込んだ。

「チャンミン様。ため息ばっかり。」

「ガキに翻弄されている己を嘆いているのです。」

テミンの頭脳は度重なる改良により、ある分野の理解力がずば抜けていた。
恋愛分野だ。

その点においては、ずば抜けて能力の低いユノユノと比べ、イ・スマン国王のプログラミングだけあって、おっさんの経験値が存分に反映されている。

「ガキ……つまり子供……もしかして、ユノユノ王子のことですか。」

「お兄たんはピュア・ユンホの魂を継いだ方ですから、仕方ありません。大人になってもあのままです。」

見学に来ていたウクたんが会話に加わる。

イェソンにべったりだったウクたんには、ようやく友達ができた。テミンだ。

初めて出来た友達がアンドロイドとは驚きの事態ではあるが、ウクたんの頭脳についていける子供など居ないから、丁度テミンとばっちり気が合った。


その晩、テミンとウクたんは、大好きなユノユノ王子の魅力を最大限引き出すにはどうすべきか話し合った。

「お兄たんの特訓を見て、チャミたんが惚れ惚れしちゃえばいいのにな。」

「それなら衣装から変えなきゃね。セクシーさが足りないもの。」

「そうだねテムたん。あのウェットスーツは良くないね。ちょっとブカブカだし。」

「ブーメランがいいよ。」

テミンの思考は、見事なまでにイ・スマン仕様だった。



ユノユノはチャンミンとゆっくり過ごしたい気持ちはあっても、敢えてトレーニングに励んでいた。

事件が一件落着した後、ユノユノはイ・スマン国王に、大きなシャチをオーロラランドに帰せないかと相談した。

子供のシャチは今さら極寒の地に戻しても生きていけないだろうが、大きいシャチは故郷を懐かしんでいたからだ。

国王はしぶしぶ承諾したが、意外にもシャチは水族館に残ることを選択した。

『俺は常夏の気候に慣れてしまったし、可愛い後輩を一人ぼっちにしたくない。オーロラ王に俺が元気であることを伝えてくれ。』

『止める間もなくレッドオーシャンに旅立たれてしまわれたので、会わせてあげられなくてごめんなさい。』

『仕方ないさ。王だって私がここに居ることをご存知なかったし、早く奥方に会いたかったのだろう。しかし……まさかすぐ近くにいらっしゃったとは。一目お会いしたかった……。』

シャチの遠い目を見つめ、ユノユノはシャチの願いを叶えてあげられないものかと思案した。

シャチだけではない。
ユノユノにはもう1つ叶えたい願いがあった。

水が苦手なテミンが、プールでシャチと遊びたがっていることを知ったのだ。

背中に乗ったままユノユノが自由に動けるようになれば、テミンを抱っこして一緒にシャチに乗せてあげられる。

チャンミンとは一生寄り添って生きていけるけれど、テミンを喜ばせてあげられるのはSMカントリーに滞在している間だけ。今しかない。

それに、イ・スマン国王との約束は約束。
水族館の宣伝のため、力になりたい。

ベルーガが不在になったことと、一部のエリアが水浸しになったことで、水族館は営業停止に追い込まれている。
自分の計画が原因の1つであると、責任を感じるユノユノは、再開の手助けになりたかった。

TBワールドの面々やミミズも手伝ってくれて水族館の復旧は進んでいる。
再開の日は、ハネムーンの最終日を予定している。

ユノユノは考えた。
再開の日のショーに出演して、テミンをシャチに乗せてあげよう。
TBちゃん一家を招待して、シャチさんに会わせてあげよう。

アンドロイドにもシャチにも寄り添おうとするユノユノの優しさは普通のラブラブを求める庶民派チャンミンには到底想像のつかない惑星規模の大きさなのだ。

その大きな優しさゆえ、特訓に明け暮れていた。



終日のトレーニングを終え、ユノユノはオーシャンビューのバスタブで愛しい王妃を抱き締めて囁く。

「チャンミン、ずっと見学してなくていいんだよ。水族館の復旧も順調に進んでるし、みんなとどこか観光にでも行ってきたら?」

バカ。
観光に行くなら王子と行きたい。
海岸沿いのショップをデートする夢すら実現していないのに。

チャンミンはここぞとばかりに甘えてみた。

「……王子とじゃなきゃ嫌だ。」

「えー。もー。可愛いなぁー。」

「ねぇ。ハネムーンなんだよ。離れたくない。」

「きゅう……。」

目眩を覚えて仰け反ったユノユノは、一旦湯に沈んだ後、腹筋を駆使してザバッと戻ってきた。

「チャンミンもトレーニングしようよ!そしたらずっと一緒に居られるよ!」

「は?」

「ほら、シャチさん2匹居るし。楽しいよ!?」

「はぁー?」

呆れ過ぎて断りそびれ、次の日、チャンミンはプールに連行されることになった。

ユノユノは、チャンミンの海パン姿に目を白黒させている。

「ちゃ、チャンミン。水着それしかないの?」

テカテカのブーメラン海パンを装着したチャンミンは刺激物に等しい。

「……ええ。王子と全裸で泳ぐつもりだったので持って来ませんでした。」

「……きゅう……。」

「王子!!失神しないで!!」

「あ、危なかった。」

「この際、王子もブーメランにすれば?バランス悪いし、観客も喜ぶと思うよ。」

「なるほど。」

冗談のつもりだったが、ユノユノはまさかのブーメラン海パンを持っていた。

「そそそ、それ、どこで!?」

「父上がくれたよ。ウェットスーツじゃセクシーさが足りないから買ってきたとかなんとか。この方がお客さんも盛り上がるって仰るんだ。」

あいつ。
国王とは言え息子愛が激し過ぎて「あいつ」呼ばわりしてしまうじゃないか。
息子のナニをさらけ出して喜ぶ父など聞いたことないぞ。

ブーメランが幼子2人の策略とは知らぬチャンミンは、シウォン様の変態ぶりを嘆いた。そして、策略通り着替えたユノユノに釘付けになった。





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東方神起 ユノとチャンミンが大好き。
脳内妄想をこっそり綴っています。
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