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王子とシムの常夏ハネムーン 25

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25


ヒラヒラの白シャツに、ネイビーの蝶ネクタイとカボチャパンツ。手を繋いでトテトテ歩き、ステージの真ん中に立ったテミンとウクたんの可愛さに、そこかしこからため息が漏れた。

約1名、ミノだけは「ああああーーーーっ!」と奇声を発してイ・スマン様の膝の上に崩れた。

「み、ミノ!しっかりしろ!!」

「可愛いの極み!!萌え禿げます!!!」

「禿げてはおらん!おい、見逃すぞ!!」

「あぁっ!リトルプリンス!!キュート!!!」

立ち上がって拍手するミノに、テミンは小さく手を振った。

「あぁ……。」

「わー!失神するなミノ!!」

「あ、危なかったです国王……。」

「失神してどうする!まばたきもしていられない!一挙手一投足も見逃せんぞ!」

「はい!!あぁ……可愛い……。」

「まさに……天使だ……。」

既に涙ぐんでいるミノとイ・スマン様のことはいいとして、プールサイドに立ったリトルプリンス達はぺこりとお辞儀し、拍手を浴びた。


ユノユノは静かに客席側のステージに上がると、TBの母に目配せする。

「どうなるの?」

この先の演出はチャンミンも聞いていない。
小首を傾げるチャンミンにユノユノは微笑み、手を握った。

「ふふ。見てて。」

手を握ったのが合図だった。突如、客席からTBの母と父がジャンプし、プールに飛び込む。
巨体を受け止めた水面から今日1番の水しぶきが上がり、客席はワーキャー大騒ぎだ。

みんな、騒ぎながらも大笑いしている。

イルカにシャチ。サメにベルーガ。
様々な海の生き物が入り乱れ、円を描いてプールを泳ぐ。
ベルーガの頭にはTBちゃんまで乗っている。
みんな楽しそうに「キュウキュウ」と声を上げ、ダンスパーティーしているみたいだ。

チャンミンは王子の手をぎゅっと握り返した。

キテレツだけど、王子らしい。
海の仲間達が輪になって拍手を受ける光景は、どんな生き物にも垣根なく接するユノユノの心を反映した演出だ。

「王子。素敵です。」

涙ぐんだチャンミンの頬にキスし、ユノユノは「まだあるよ。」とウィンクすると、プールに飛び込んだ。

輪になって泳いでいたイルカがユノユノに並走してステージに近づき、横一列に並んだ。
その後ろにシャチが2匹。
そしてTBの母。最後にオーロラ王。

幼い王子達とチャンミンの間に、橋がかかった。

ウクたんとテミンの手を引くユノユノが、その橋を渡り出す。

テミンは最初こそイルカの背に足を伸ばすのを躊躇したが、ユノユノに「大丈夫」と声をかけられ、頷いて歩き出した。

「と、尊い。」

「3人の王子が並んで……。」

「水面を歩いてるみたいだ。」

観客は歓声も忘れて、美しい3人の王子を見つめた。

ミノとイ・スマン様はボロボロ泣いていたけれど、テミンの立派な姿を見逃すまいと、溢れる涙を何度も拭いて、瞳を開き続けた。

チャンミンはオーロラ王の頭に乗っていたTBちゃんを取ってぎゅっと握りながら、3人を見守った。

2匹並んだシャチの背を、真ん中のユノユノは器用に左右それぞれの足で踏みしめ、幼い王子達をエスコートする。
TBの母は面積が広いから余裕だ。
だが、最後のベルーガの背は3人並んでは歩けない。

まずウクたんがスキップするように走って渡った。

テミンはユノユノに背中を撫でられても、なかなか1歩が出ない。

不安そうにユノユノを見上げる顔に、観客は手に汗を握って祈った。

「テミたん大丈夫!出来るよ!」

ウクたんの励ましに「ん」と頷いたテミンの可愛さは、惑星も恋するレベルだった。
観客の誰もが、キュンとした。

白いベルーガの丸い胴体の上を、マシュマロみたいに白い肌をしたテミンがむっと唇を噛んで歩く。

首の位置まで来て、もうあと2歩でステージと言うところで、テミンはベルーガのおでこの柔らかさに足を取られ、ふらついた。

「ひっ!落ちる!!」

思わずプールに駆け寄ったミノには、劇的萌えが待っていた。

さすがはオーロラ王。
彼はテミンがバランスを崩したとみるや、瞬時に顔を上げて、テミンの身体をおでこでバウンドさせ、ポーンと放り投げたのだ。

丸いマシュマロは、チャンミンの腕にぽすっと収まり、頬を染めてはにかんだ。

テミンを抱きとめるため、チャンミンが放り投げたTBちゃんはミノの胸に収まった。

「ああ……ダブル萌えーーっ!!」

萌えと感動でついにミノは失神し、TBちゃんに頬を叩かれて一旦目を開けたが、ゼロ距離でペシペシしているTBちゃんを見て、再度昇天した。

ドンヘはウニョクを肘でつついた。

「おいウニョク。あの王子も逸材だ。白イルカに乗ったおテムをSMカントリー向けのフィギュアにしよう。」

「うん。こちらでの売上が伸びたらキュヒョンも喜ぶね。帰るの遅くなって怒ってるだろうから……。」

「シムマーメイドとおテム。どっちが売れるか見物だな。」

テミンを抱き上げて聖母の微笑みを浮かべるチャンミンが、この後、フィギュアの売上グラフを睨んで隣国の王子に敵対心を抱くことになろうとは、誰が想像できようか。

今はまだ、知らない方が幸せだ。


最後はチャンミンをお姫様抱っこしたユノユノがTBの母に乗ってプールをぐるりと一周しながら観客に挨拶し、ショーは終了した。

帰宅の途につく人々の顔はみな笑顔で、「帰ったら奥さんをお姫様抱っこしてみようかな。」とか、「テミン王子みたいな子供が欲しい。」とか、ワイワイ楽しそう。

「素晴らしいショーでした。ありがとうユノユノ王子。」

イ・スマン様とユノユノが交わした固い握手を、TBワールド一行は笑顔で見守る。

「これからも、定期的にSMカントリーへお越しください。その際は是非またショーを……。」

ユノユノは笑顔で首を横に振った。

「SMカントリーにも素晴らしい人材はいらっしゃるでしょう?今日もあんなにたくさんの人が水族館に足を運んでくださった。こんな仕事がしたいと思ってらっしゃる方がきっといらっしゃいます。」

「……しかし王子の様な技が出来る人など見つかるとは……。」

「技よりも、楽しいショーであればいいんじゃないですか?」

イ・スマン様はショーにも美を求める。美しい技のないショーなど楽しいだろうか。納得いかない顔のイ・スマン様が首を捻った時、1人の少年がユノユノに駆け寄った。

「王子様!今日のショー、いつものショーよりすっごく楽しかった!」

「そう?ありがとう。」

「王子様もシャチもイルカも楽しそうでした!僕、将来水族館で働きたいです!」

シャチもイルカも楽しそう……。
少年の言葉にイ・スマン様ははっとした。

ショーの間、王子はずっと笑顔だった。
海の生き物達も、それに呼応する様に、楽しそうに笑っていた。

顔の見えないロボットが美しい技を決めるより、笑顔が溢れるショーの方がいい。ユノユノはそう言いたいのだ。

イ・スマン様は拳を握った。

「私は防水の美形アンドロイドを作り上げるぞ!!チャンミン様のように可憐で、ユノユノ王子のように健やかな笑顔のアンドロイドだ!!」

そ、そこは人間でいいじゃん!とユノユノは思ったが、イ・スマン様が燃えているので口を挟まないことにした。




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25話で完結のつもりだったのですが、ちょいと文書が長くなりました。
今夜最終話となる26話を更新します。

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東方神起 ユノとチャンミンが大好き。
脳内妄想をこっそり綴っています。
ホミンのみ。

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