FC2ブログ

祓い屋リノベーション Rebirth 15

20200507200015a34.png

祓い屋リノベーション Rebirth
15
〜トンバン国〜


生成りの着物を羽織ったチャンミンが神殿の庭で榊の枝を摘んでいる。
隣にはキュヒョンの姿。

今はキュヒョンよりチャンミンの方が背が高いが、目の前のチャンミンは榊の葉を弄りながら上目遣いでおねだりができる身長だ。

「もうずっと神殿を出てないよ。やる気が出ない。」

「冗談でもやめてくれ。国王の巫女がやる気が出ないって……。」

「冗談じゃなくて本気。今夜の食事も芋と野菜?ご飯が味気ない。甘ーい栗とか食べたい。あぁ、あの飴……前に村で買ってくれたやつ食べたい。」

「ああ。牛乳飴な……。仕方ない、明日行こうか。」

「やった!」

トンバン国でもおねだり上手だな。
キュヒョンが言いなりじゃないか。

ふふっと笑いを噛み殺した俺の横から、ため息が聞こえた。

「はぁ……。ユノに見られたくなかったなぁ、昔の僕なんて。」

「チャンミン!!えっ、え!?チャンミンが2人!!」

きまり悪そうに幼い自分を見つめる大人になったチャンミンは、さっきまでと同じ、爽やかなブルーのシャツを着ている。

「チャンミンなのか?」

「……チャンミンだよ。」

「いや、その、本物??」

「何をもって本物とするか……その答えは難しいけど、昨夜夜通し貴殿に犯されたチャンミンです。」

「……お、おう。」

「何だろねこれ。僕の記憶じゃないみたい。こんなシーン覚えてない……。もしかして……キュヒョンの記憶かなぁ。」

「……俺達一緒に夢を見てるのか?井戸に落とされて?」

「ひどい守護霊だね。恋人もろとも真っ逆さまに放り込むなんて。」

「そうだ……ばあちゃんめ……。俺達、ばあちゃんの仕業で夢を見てるのか。」

「だろうね。落ちる時、行ってらっしゃいって手を振ってるのが見えたよ。工事現場で穴に落ちた時と一緒で、頭に衝撃があると過去の旅にでちゃう仕組みなのかな?」

「……はぁ……荒唐無稽すぎる。」

「きっと練馬の現象の理由を知らせようとしてくれてるんだよ。」

だからって守るべき孫と恋人を井戸に放り込むとは。
極悪非道だ。

チャンミンは既にこの状況を受け入れ、興味津々で幼い自分に近づいた。

「おい!大丈夫なのか?」

「大丈夫だよ。向こうには僕らは見えてないみたい。わぁ……。僕お肌プルプル。睫毛フサフサ。可愛い……。」

自分で言うか。
完全に同意だが。

「キュヒョンは今とあんまり変わらないな。」

「若々しい姿で幽霊になるなんて、せこいよね。キュヒョンは天寿を全うしたはずなのに。」

幽霊のビジュアルは選べるらしい。
そう言えば、レイカさんも亡くなった時とは違う、美しい容姿だった。

ばあちゃんが20歳そこそこの姿だったりしたら誰か分からなくて困るから、高齢で良かった。

自分を観察しているチャンミンの横顔と幼いチャンミンを見比べ、俺は感嘆した。
美しい存在の共演。
目の保養だ。

「チャンミンだってまだ若いし、キュヒョンよりチャンミンの方が綺麗だ。昔も可愛いけど、今の方がずっと魅力的だよ。」

「ユノ……。」

見えていないのをいいことに、赤く染まった頬にチュッとキスしたらしっかり感触がある。

これはいい。
誰にも見えない状態ならやりたい放題じゃないか!

それにしても、チャンミンには今のほうが良いと言ったものの、榊の枝を弄っている若チャンミンの可愛さときたら。はじめて泉で出会った時の胸の鼓動が蘇る。

ざっくりとした生成りの衣装に似つかわしくない繊細で可憐な眼差し。

王宮に来る少し前だろうか。
俺の知らないチャンミンを見られるなんて、ばあちゃんの狼藉な行いにはほとほと呆れるが、ちょっと心躍る。

試しに頬に手を伸ばしたら、残念ながら感触はなく通過した。

「ちょっと……ユノ。何触ろうとしてるの。」

「……自分に嫉妬するなよ、可愛いな。」

「なっ。」

「この状況さ、俺達が幽霊みたいなものか?いつもと逆だな。」

「これがもしキュヒョンの夢か記憶だとしたら、全員幽霊みたいなもんじゃない?意識の中だけの出来事。タイムスリップしたわけじゃないだろうし。」

「ふふ。今は俺達が幽霊か。でも、このままずっと見てろってことなのか?この先どうなるんだ……。」

「お祖母様の……トヨさんのすることだもん。何とかなるでしょ。」

「……現実の俺達はどうなってんだ?水に沈んでたら死ぬぞ?」

「ま、夢見てるってことは生きてるってことじゃない?考えても仕方ないよ。霊がやることだから。ユノと2人だし楽しいじゃん。」

「ふふ。まったく……。」

チャンミンもばあちゃんに負けず劣らず強い。
俺と同じく心踊っているのか、目をキラキラさせている。

「神殿の記憶ってことは、今回の心霊現象の原因はユノの推理通り、この辺にあるってことかな。」

「かもな。仕方ない。見物しよう。」

俺達は、今目の前に広がる情景に身を任せることにした。

「わぁ。懐かしいなあ。」

神殿の苔むした壁板にそっと手を置き、チャンミンは物思いに耽る。

「隙間だらけだな……。冬は寒かっただろ。」

「うん。凍えるほど。でも布団に入れば大丈夫だったから、日中でも包まっててキュヒョンに怒られてた。」

「まったく。困った悪ガキだったんだな。キュヒョンは俺にはそんなこと一言も言わなかった。褒めてばかりだったよ。」

可愛がっていたんだな……。
本当の弟のように。

手を繋いで神殿に入って行くキュヒョンとチャンミンの後ろ姿にほろりとしそうになった時、視界が光でいっぱいになり、突然農村風景が目の前に広がった。

一面に背の低い桑畑がそよぎ、奥の森からキュヒョンとチャンミンが歩いてくる。

「牛乳飴買いに行った時だ!」

今回は、チャンミンもよく覚えているシーンらしい。そんなに飴が楽しみだったなんて、まだ子供だと微笑ましくなる。

当時は当然のことだったが、チャンミンが王宮に来たのは15歳にもなっていない頃。

そんなチャンミンとセックス三昧だったとは、今なら犯罪……。

赤面した俺がちらっとチャンミンを覗うと、チャンミンも唇をむにっと噛んで赤面している。

「チャンミン?顔赤いよ?」

「あ、や、その。」

あたふたするチャンミンを不思議に思ったのも束の間、すぐに理由は判明した。

キュヒョンと幼いチャンミンは民家が連なる街道の端まで来ると、一軒の農家にスタスタ入っていく。
庭から家まで50mはありそうな大きな農家だ。

「やけに立派だな。」

「王宮で牛を貰ったとかで、農業以外に牛乳の販売もしてる家なんだ。ここの飴が美味しくて!」

「王宮で……牛……?」

待て。
それはまさか。
先日夢に見たばかりの……。

つい身構えたところで、家からダイナマイトバディな娘が出てきた。

きつく縛った前掛けが腰の細さと胸の大きさを強調している。

やはり……。
あの娘だ。
あんな夢を見たのは、繋がりがあったからか。

「はい。牛乳飴ね。」

「あ、あ、ありがとうございますっ!」

ん?
幼いチャンミンの様子がおかしい。
耳まで真っ赤になって飴を受け取り、ぽかんと見つめているのは……たわわな胸。

「チャンミン……。」

現代版チャンミンは、あらぬ方向へ視線を逸らせて左右の頬を交互に膨らませている。

「イチャイチャしたかった女の子って……。あれ?」

「ちちち、違うよ!胸が大きくて美人だなあって憧れてはいたけど!」

それはつまり肯定じゃないか。
あんな感じがタイプだったとは。
性に目覚めた中学生がエロ本を回し読みする光景が浮かぶ。どの時代も若いって青いな。

飴をにぎにぎし、真っ赤になっているチャンミンを見つめるキュヒョンの何とも言えない顔が切ない。

国王に抱かれる身と知りながら、言い出せずにいたのはこういうことか。

「あの胸に埋もれたかったわけか……。そりゃ俺が夜伽を申し込んだら駆け出すな。」

「僕……帰りたくなってきた。」

チャンミンが遠い目になった次の瞬間、また場面が変わった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ポチっとしてくださる皆様。
心温まります。
ありがとうございます!

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村



関連記事
スポンサーサイト



テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

コールドブリュー

Author:コールドブリュー
東方神起 ユノとチャンミンが大好き。
脳内妄想をこっそり綴っています。
ホミンのみ。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR